【講座】安定と幻想
2019.8.3
起業の話が出てくると、よく「不安」と「安定」の話が出てきます。
個人的な意見ですが、
「起業して独立すること」
って、やっぱりリスクがあって不安もあるものであると思います。
それらのリスクは、決して気のせいにして、目を向けないことで解決するものではないものです。
では、
「会社員で安定すること」
って、確かに常にやるべき仕事と報酬が用意される環境は、
事業を行うことより、はるかにリスクの少ない環境でしょう。
なので、どちらが良い環境であるとは一概には言えません。
しかし、自分のこれまでの経歴を振り返ったとき、
やはり独立して良かったなと思います。
僕は何やかんやと転職を何回も繰り返してきました。
振り返ると、転職をするたび、批判的な声を聞かされることが多かったです。
最初は父と会社を経営してました。
しかし事業が傾き、会社を整理し、これ以上自分の能力では再建できないことを悟り会社員になりました。
このときは、父や一緒にいた職人さんから、
「どうして逃げるんだ」
と批判されました。
しかし、当時は自信もなく、親子で経営していたので自分の実力も分からず、妻も子もいたので家庭を守るために会社員の道を選びました。
その後、何社か転職をしながら会社員をしていました。
10年ほど前に、とある上場企業を辞めるとき、周りから「もったいない」とか批判されました。
しかし最近、その頃の同僚に出会ったとき、所属していた事業部が閉鎖になると聞かされました。
当然リストラが行なわれ、年齢が1つ上のその同僚は、
「今から転職活動だ」
と嘆いていて、とてもショックでした。
また、別の財閥企業の子会社にいた頃、そこの上司にも退職するときに
かなりのお叱りと非難の言葉を頂きました。
しかし、最近、その会社の親会社が合併し、事業方針が変わり
子会社に当たるその会社は、閉鎖されました。
開発部長をしていた別のメーカーも
やめるときは様々な非難の声もありましたが
結果的に関連事業がすべて閉鎖され人員整理されたと聞きました。
安定した大手の会社ほど、流れに逆らえない
大きな波が訪れたりするものです。
それらの会社の話を聞くと、とても寂しい気持ちになる反面、
「あの時、辞めて独立して良かったなあ」
と思う気持ちも正直なところです。
何が正解かは、分かりませんが、
安定って、幻想になってしまうと危険な気がします。
どの道にも、それなりのリスクがあるものです。
そのリスクを踏まえ、自分に合った仕事ができると幸せですね。
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