近年、自分や企業の「在り方」ということに対して、子供の頃と比べると、関心が深まっているように思います。

 

かくいう私も、起業したての頃には「在り方」を探求するようなコンサルティングを受けたものです。

その学びは、たしかに有意義であり、人生にとっても一度は向き合う方がより良く作用するものに違いありません。

 

人の「在り方」を決めることは、事業にとって「経営理念」を決めることと等しく、行動するための重要な指針となるものです。

 

航海でいう方位磁石みたいなものでしょうか？

道がそれても、常に進むべき方角が示されることで、目的地に到達することができる、というようなものです。

 

しかし、自分が受けたような、「在り方」を学ぶ、ということについて、少し疑問を感じるようなことも散見されます。

 

巷では、多くの「在り方」講座のような開催されています。

これ自体に問題がある訳ではありません。

 

前述したように、一度は向き合った方が良い内容に思います。

 

しかし、中には「在り方」を学ぶことが「目的」となってしまい、

そこで満足してしまっているケースがいくつか目の当たりにしました。

 

その中のケースですが、

「在り方」を熱く語り、話す内容もとても立派な方がおられました。

身なりも、話し方もとても立派であり、仕事も優秀な方なのだろうと思っている方でした。

 

少し前、この方と少しだけ小さな仕事をしたことがありました。

前払いで報酬をお支払いし、ちょっとした広報的な仕事を依頼しました。

 

しかし、その後、この方からは連絡が途絶えました。

こちらから催促すればレスポンスはあったかもしれませんが、少し待ってみることにしました。

 

1か月以上過ぎた頃、この状況を見かねて別の仲間がこの方に連絡を入れました。

そうすると、この方から連絡があり再びお会いすることになりました。

 

その約束の日、体調不良とのことで直前に延期となり、別の日にお会いしました。

 

そこでお話を伺ったところ、どうやらお願いしていた仕事に関して一切の活動を行っていないとのことだったのです。

 

あっけにとられたまま、さらにお話を伺うと、どうやら借金が返せなくなり自己破産されるとのことでした。

本業は大手金融の企業で営業ををされていらっしゃったのですが、こちらもほぼ売れていらっしゃらなく、クビになるとの

ことでした。

 

自己破産や解雇ということ自体は、とても残念なことだなと感じつつも仕方ないことだろうとも思います。

 

事業では自己破産しなければいけない状況や、会社員なら解雇されるという状況は

残念ながら現実に起こりうることなので、向き合っていくしかないだろうと思います。

 

今後はどこか別の企業に身を置き、働かれるのかなあと思っていました。

何か支援できたら、とも思っていました。

 

しかし、自己破産が完了したら、独立してファイナンシャルプランナーになるんだとおっしゃっいました。

 

正直、とても複雑な気持ちになりました。

 

お金を渡し依頼した小さな仕事すら放置状態にしてしまうのに？

いろいろ疑問がわきました。

 

今後の依頼した業務の遂行を行うのか、または受け取った報酬を返却してもらえるのか、

いずれの提案もないまま、お金が無いと悩みの相談をされてしまいました。

 

しかも、自己破産後に信用が最も大切な自営業を営むと言うのです。

自己破産直後にお金の運用の仕方を教える、ファイナンシャルプランナーになると言うのです。

 

なにかやるせない気持ちになりました。

結局、お支払いした報酬は、餞別としてお渡しすることにし、お引き取りいただきました。

 

実はこの方は同じところで「在り方」を学んだ同士なのです。

その学びの場では、優秀な方として紹介されていらっしゃる方です。

今も「在り方」を学んでおられるようです。

 

結局のところ、「在り方」を決めることや、学ぶことは大切です。

しかし、「在り方」を見つけたら走り出さなければ、現実は訪れません。

 

計画はとても大切です。

しかし、行動を伴わないと意味を成しません。

 

頭でっかちになって動けないくらいだったら

何も考えず走り出した方が、まだマシなのです。

 

ぶつかりながら改善した方が成果が上がるのが事業です。

「在り方を見つけたら走り出そう」

が大切です。

 

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