【講座】その商品は理にかなっている?
2019.6.17
この図は、ご存知の方も多いと思いますが、マーケティングの基本的な考え方の一つ、
「4P」(4つの頭文字の略)です。
商品やサービスのアイデアが浮かんだとき、まずはこの4つ要素を押さえて考えてみると良いでしょう。
「製品」
これは、多くの方が最も検討される要素だと思います。
どんな商品の、どんなサービスなのか?
事業や商品を考える上で、最初に一番関心がある要素かもしれません。
以前、技術力が自慢の中小企業に在籍していた頃のこと。
当時の自分たちのできうる最高技術を盛り込んで、満を持した商品が開発されました。
が、結果は無残な結果に。
そう、凄い技術ですが、顧客にとってはそれほど価値のない商品だったのです。
一時のデジタル家電みたいに、物凄い技術かもしれないですが顧客が「置いてけぼり」になってしまう、
こんな風にならないように、顧客から見た「価値」が大切ですね。
「価格」
事業の健全性を考えるとき、最も重要な要素とされることが多いのがこれでしょう。
競争力ある価格なのか?
これもたまに失敗ですが、
魅力ある商品やサービスを考えたのはいいものの
原価を積み上げると、販売価格がとても高価になり競争力を失ってしまうケース。
これでは売れません。
または、利益が少なすぎて、売れども売れども、しんどくなってしまうケース。
これだと売れても、自らがしんどくなってしまいます。
いずれにせよ、「適正価格」というものが重要ですね。
「流通」
結構、「流通」はおろそかにされがちな要素ですが、案外これを押えている商品やサービスは売れている気がします。
たまに、凄い商品だ、画期的な商品だ、というものを紹介される方がいらっしやいます。
それは素晴らしいことなのですが、話をよく聞くと、
「その商品はまだ世の中ではトップシークレットで一部の人にしか知らない情報で、
これから爆発的に売れものらしく、
その販売する権利を私が持っている」
なんてことがあります。
それが本当に売れたとき、あなたはどうやって流通できるのですか?
本当に売れると、物流をどうするのだろう?
その数量を売ろうとすると、本当に供給できるリソースがあるのか?
「1日に何個生産できるの?」
「1日に何人に提供できるの?」
疑問が次から次と涌いてきますが、それに応えれるほどの方はあまりお見かけしません。
売れている商品は、この検討を必ずされています。
なぜなら、注文が入っても、供給できなければ大きな「信用」を失ってしまうからですね。
「プロモーション」
「画期的な商品を開発した!」
という話を聞いたときに、
「世界中の方がターゲットです」
というものがあります。
もし、そうだとしたそのときに大切な要素は「プロモーション」ですね。
世界中の方々が対象なら、世界中に認知してもらうほどの「プロモーション」が必要です。
中小企業の商品開発でやってしまいがちなミスですが、
そのプロモーションに掛かる、費用や労力を全く検討せず商品を開発してしまうことがあります。
実際に昔、とある鉄工所が新規事業として美顔機を開発されました。
素晴らしい技術があるからできるのです、とおっしゃっておられましたが
その商品を知ってもらうプロモーションを全く検討されておられませんでした。
その結果、数年後、倒産されていました。
これだけが倒産の原因ではないでしょうが、
経営の足を引っ張ったのは言うまでもないでしょう。
商品やサービスの開発を考える際、
少なくとも、この「4P」を検討していくだけでも、
余計なリスクを回避することができるのです。
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