「やりたいことをやって生きていこう！」

これは確かに素晴らしい生き方だと思います。

 

ただ、だからと言って、性急に「やりたいこと」を決めることは注意が必要かもしれません。

僕自身が独立する際に、この「やりたいこと」探しに苦労しました。

 

実は独立するときに、それほど強い意志で

「何かをやりたい」

という思いを持っていた訳ではなかったのです。

 

どちらかというと、

「独立したい」

という思いだけがあったのかもしれません。

 

独立する頃、色々な方とお会いするようになっていったとき、

「やりたいこと」

が明確になっていない自分自身に焦りを覚えました。

 

そして、様々な方からコーチングや、講座を受けるようになっていきました。

その中には

「やりたいこと」を言わないと、

ちょっとした、はずかしめに合う状況におかれるので、

何とか「やりたいこと」を口にしたようなものもありました。

 

しかし、その後、なんとか搾り出した「やりたいこと」は

あまり実を結ぶことはありませんでした。

 

ただ、「やりたいこと」は不明確であったけど

「得意な仕事」と、「やりたくないこと」は明確でした。

 

まずは、「得意な仕事」ですが

これは機械づくりです。

 

社会人になってから今現在まで25年間ずっと継続している仕事が

機械の設計開発、機械づくりなのです。

 

機械づくりでも、壮大な開発者と言うものではなく

かなりビジネスライクな機械づくりです。

 

限られた予算、納期で最も利益を生み出す実践型の機械づくりが得意で

この提案では他者に負けることはありません。

 

また、「やりたくないこと」ですが、

これは積極的に嫌な感情があるものではなく、

そんなに気乗りしないもの、と言っても良いでしょう。

 

例えば、今さら僕は、「プロレスラー」にはならないだろうし

「歌舞伎役者」にもならないでしょう。

 

なぜなら、逆境に耐えられるほどの想いがないからです。

独立し事業を営むことは、この

逆境に耐えられる想いがあるかどうかって大切です。

 

新しい事業を始めるにあたり、

もし逆境にぶつかったときに

「やりたくない」

と思う事業は、絶対に避けるべきです。

 

「やりたいこと」や「やりたくないこと」とは無関係に

事業を始めると、逆境と呼ばれる苦難に一度や二度はぶつかるでしょう。

そのときに、乗り越えたいという想いがあるものでないと

事業はとてもうまくいかないものです。

 

成功だけをイメージして「やりたいこと」を始めても

それだけではそう簡単にうまくいかないものです。

 

うまくいかないときに、何としてでも解決しようと思えるものこそ

本当の

「やりたいこと」

なのかもしれません。

 

結果的に、機械づくりのお仕事は

僕にとって、心躍る夢のような、

「やりたいこと」

ではないと思っていたものの、

長年やって得意なものとなっていたし

逆境のときは

「絶対に解決してやろう」

って思えることだったのです。

だから、うまくいかないときも乗り越えることができたのでしょう。

 

そして逆境を乗り越えるたびに、事業は成長しているのです。

 

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