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【商品開発】ヒット商品とモチベーション
2019.6.14

商品開発をする際に、モチベーションはプロジェクトの成功に関係があるのか否か。

答えは、当然「イエス」です。

 

大手企業で見られる、確立されたプロセスの中で開発する環境のものを除き、

企業で商品を開発する上で、スタッフのモチーベーション維持は欠かせないものなのです。

 

なぜならば、ヒット商品になるためには必ず陥るある現象があり、それを乗り越えるときに必ず必要なのが

「モチベーション」なのです。

 

ヒット商品に必ず起こるある現象とは

「ヒットホール」

と呼ばれる現象です。

 

ヒットする商品は、企画段階から開発中の段階のおいて、プロジェクトメンバーの士気も高く、

販売に向けて、紆余曲折がありながらも着々と開発が進み、メンバーは盛り上がります。

ここまでは比較的順調に進むことも多いでしょう。

 

しかしここからが問題です。

売れるヒット商品は、開発も進みゴール(発売)も見えてきた頃、

「さぁ、もうすぐだ」

というタイミングで、必ずと言ってよいほど、致命的な大きなトラブルに見舞われるのです。

しかもそのプロジェクトが中止になるかもしれないほどのインパクトあるトラブルが起こるものなのです。

このときのトラブルの状況を

「ヒットホール」といいます。

 

このときに、当然全力をあげてこの問題を解決しようと取り組みますが、なかなか解決策はありません。

また、この問題を解決しない限り、発売できません。

多くのプロジェクトは重要な選択を迫られます。

「発売延期」

「開発中止」

このような選択肢が机上に挙がってくるでしょう。

そして、これらの選択をした商品は、やはり売れません

 

さらにこれらの選択は自社に大きな被害をもたらすこともしばしばです。

なぜなら、そんなに売れる面白い商品だとしたら、他の誰かが必ず同じ考えをしているからです。

全く同じものを模倣しなくとも、それを望むお客様が沢山いるのだとしたら、

その中の誰かはそのニーズを満たす方法を必ず検討している、

と考えておいたほうが良いでしょう。

 

そして完成間近となってくれば、関係者や販売に関わる協力者も増え、その企画の情報も否応なく漏れるのです。

たとえ情報を漏らす意図がなくとも、特許申請などを行なっていると、必ず情報は公開されます。

 

ヒット商品となるプロジェクトは、必ず計画通りの期日での問題解決の方法を探るでしょう。

そして、その考えても解決しない問題に挑むとき、相当の「モチベーション」がないと

否応なく期日が訪れ、発売延期や開発中止となり、問題は解決しないのです。

 

そもそもなぜ、そんな大きな問題(ヒットホール)が訪れるのか?

それは、素晴らしい企画の、優秀なスタッフたちに恵まれた、画期的な開発だからなのです。

素晴らしい企画だからこそ開発が順調に進みます。

優秀なスタッフたちによってその企画がどんどん具現化されていきます。

画期的な開発だからこそ、開発が進むにつれ期待が膨らみます。

そんな、ほぼ「完璧」な状態で起こる完成間近の問題は、

例え小さな問題であったとしても、そのプロジェクトの流れをせき止める大きなものに見えるのです。

 

過去に、とあるコピー機メーカーが、他社より性能の高いコピー機を開発しようとした。

当時は故障の多いコピー機が多かったので、どのメーカーよりも壊れない製品を開発しようとした。

しかし、その実現には果てしなく高度な技術が必要であり、たとえ実現したとしても

とても高価な製品となってしまうのが悩みであった。

またどれだけ性能を高めても、日常起こる故障は防ぎきれなかった。

 

こんな状況が「ヒットホール」であるが、このときにさらに高い技術の追求をしようとすると

その解決は非常に困難な状況に陥り、時間という制約の中ではおおよそ不可能な状況となります。

 

このとき、このコピー機メーカーが行なった戦略が、

”コピー機に故障内容を表示する”、というものでした。

今では当たり前ですが、コピー機の「紙詰まり」などの「エラー表示」のことです。

故障した際に、いち早く何が故障しているのかをユーザーに示すことにより、

修理のサービスマンを呼ぶ必要もなくなり、毎日起こるその故障が、ユーザーの手で

解決できるようになった、という画期的な手法でした。

 

これこそが、「ヒットホール」における解決の手法です。

完成間近の状態に起こるトラブルの場合、コピー機のある部品だけをトラブルの元凶として

考えがちで、その解決は非常に困難であったりします。

こういうときに大切なのが、「顧客の価値」なのです。

 

その問題を解決することが単純に「顧客の価値」ではなく、

提供するサービスや製品自体がそもそも「顧客の価値」を満足しているかどうか、

という視点に立ち返り、問題をミクロに見るのではなく、マクロ的に見た方が解決に至りやすいのです。

 

そして、そこで見出した解決方法が「イノベーション」となり世界を変えるのです。

 

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