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【講座】飯だけは食わせろ!
2019.8.5

「飯だけは食わせろ!」

これは、経営者であった父の言葉です。

 

あまり好きになれなかった父ではあるのですが、ただ数少ない心に残る言葉です。

 

父は昔から鉄工所を創業し経営していました。

僕は、20代の頃、その跡取り息子として一緒に経営していました。

 

その当時、口を酸っぱくして言われたのが

「職人には、必ず飯だけは食わせてやれ!

人間ってものは、腹を空かせると良い仕事ができない」

と言って聞かされました。

 

当時はあまりピンとくるものがなかったのですが、自分が経営者という立場になると

伝わるものがありました。

 

まず、起業して間もない頃、僕は全く売れていませんでした。

そんな頃、営業先の会社の社長さんたちは、よく食事に誘ってくれました。

そして、飲食代もままならず財布の中身を心配する僕をよそに、当たり前のように

営業に行くたびに食事をご馳走してくれました。

 

いやらしい話ですが金額で言うと1000円ぐらいのものです。

ですが、空腹のときって、けっこうみじめな気持ちになるものです。

 

ご飯を食べさせてくれたおかげで、そんな自分の気持ちが少し取り除かれほっとしたものです。

そのときの恩義は、大変有り難く今でも心に染みるものです。

 

そして、ようやく事業が軌道に乗り出した頃、

飲食代を率先して出すようになった気がします。

 

もちろんこれは誰に対しても行うことではありませんし、法外な金額のものではありません。

お客様や関係者、サプライヤや職人の方などとランチなどに行ったときのお話しです。

 

なぜ食事代を出すのか?

 

経営者になってわかったこと

それは、”経費”だからです。

 

みんなと食べに行って割り勘にすると、事業経費にはなりません。

割り勘にするとその費用は、個人の所得になってしまいます。

 

食事代をおごることになると、その経費は

「接待交際費」

となります。

単純にいうと、「営業経費」 な訳です。

 

少なからず事業活動をすると、営業経費が掛かります。

その一部となる訳です。

 

食事をご馳走してもらって悪い気はしませんよね。

むしろ、何もないより少し良い仕事をしてもらえるかもしれません。

過大な期待は禁物ですが、コミュニケーションの中で何かしらの良い効果はあるでしょう。

 

特に事業の中での利害関係者との間では、

そもそも何かしらの金銭の絡む取引関係があります。

その取引額の中での食事代に占めるウェイトは、決して大きなものではありません。

 

職人さんたちと仕事をするときも、お腹の空いた状態でイライラして長時間仕事をするより

食事を食べてもらってリフレッシュした方が、頭も冷静になり、身体も休まり事故防止にもつながり

仕事がはかどることが多いものです。

 

それに、割り勘にしたところで、それは経費にならず課税対象になったりするわけです。

 

もちろん無理をしておごったりするものではありません。

 

無理なくできる範囲であるならば、

かけるコストの割には、相手に喜ばれるし

かつ、仕事にも少し効果の上がる要素であり

かつ、ちょっとした節税対策だったりするんですね。

 

そんなことを父をはじめ周りの経営者の方々に身をもって教えられたような気がします。

 

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