【講座】認知の難しさ
2019.8.9
最近、コンビニの駐車場が有料になるところが現れ始めました。
これは、駐車場を提供した車の台数に対して、コンビニで購買する人が少なかったり、
長時間駐車により、他の利用者の妨げになるケースが増えているせいでしょう。
一部のコンビニの駐車場では、機械式駐車場ではなく、カメラ監視式の駐車場が現れました。
これはこれで、機械的な車輪止めの設置が不要で、トラックなど車の大きさによる制約がなく便利な仕組みでしょう。
しかし、近所のコンビニでは、やや混乱を招きそうな仕組みが導入されました。
このコンビニでは、カメラ監視式の駐車システムを導入されたのですが、とても不便なのです。
出庫時には、駐車時間の長さに関わらず、駐車場に入った全ての車が、精算機での精算手続きが必要となるのです。
幸い30分無料なので、正しく手続きを済ませば、駐車料金が発生するわけではないのですが、
機械式駐車場のように、物理的に手続きしない限り出庫できない仕組みとは異なり、
駐車場が無料の従来型のコンビニと同じく、視覚的、物理的に出庫を妨げるものがないのです。
なので、コンビニで買い物し、車を出庫するときに何も手続きしなくても車を出せてしまうのです、
便利な反面、このコンビニで買い物をしていると、結構多くの方が出庫手続きをせずに出て行かれます。
例えば、入場から30分は駐車無料かつ手続き不要であるなら問題は起こらないのでしょうが
駐車時間に関係なく精算手続きが必要という点が、なんだかややこしそうです。
実際には、どのような処理をなされているかは分かりませんが、
もし、何気にこのコンビニで買い物をし、精算手続きを忘れそのまま出て行った後に
1年後ぐらいに50万円の請求書が届いたら・・・
考えるとゾッとしますね。
たぶん、そんなことはないとは思うのですが・・・
いずれにせよ、既存のコンビニの仕組みがこれほど認知された後に
機械式の駐車場でもないこのコンビニで、車でやってきてちょっと買い物して
すぐに出て行こうとするときに、この精算方法が認知されるかどうかというと、結構困難ではないかと思われます。
せめて、店員さんなどにアナウンスしてもらうなど、積極的な認知を促す活動が必要なはずです。
この件に限らず、一度認知されたもののルールや使用方法を変えるのは結構難しいのです。
例えば、車だったら、アクセルとブレーキの位置が反対の車が発売されるとどうなるでしょう?
大きな混乱が予想されます。
どうしても必要とするなら、かなりの周知徹底が必要でしょう。
画期的なサービスや事業において、パッと見た感じが既存のものに近いものほど
それらとの違いを認知してもらうためにはかなりの労力が必要なのです。
全く存在を知られていないものを認知してもらうよりも
勘違いされている認知を覆す方が、より困難だと言えるのです。
個人レベルに置き換えると、
見ず知らずの人に
「良い人」
と知ってもらうことよりも、
周りの人に、
「嫌な人」
と認知されているものを
「本当は良い人」
と覆すことの方が、相当に難しいのです。
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