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【講座】本物の詐欺師
2019.7.27

数年前、本当にいらっしゃった詐欺師のお話です。

 

当時ちょこちょこお伺いしていた、とある異業種交流会がありました。

ある日、その交流会の主催者の方から、

「紹介したい方がいてるんです。三菱の社長なんです」

というご連絡でした。

 

「三菱の社長?」

もちろん、三菱グループは巨大な財閥グループです。

どの会社だろう?

という疑問があったのですが、いずれにせよ、

紹介者のご厚意であることですし、

三菱のどの会社であっても、その経営者にお会いできることは

とても光栄でしたので、指定された場所にお伺いすることにしました。

 

大阪ミナミのとある場所に出向くと、その方含め数人の方々がいらっしゃいました。

そして紹介者の方に促され、その「三菱の社長」の隣の席につきました。

「こんにちは」

とご挨拶させていただくと、先方も快くご挨拶してくださいました。

 

そこで名刺交換させていただくと

WMP(World Movie Production)という

芸能事務所の「会長」という肩書きが書いてあり

「岩崎」

と名乗られたのでした。

 

「あれ?三菱の社長じゃないんだ・・・」

と内心思いながら、その方と歓談させていただきました。

 

その名刺の裏には、所属俳優の名が書かれていました。

コワモテ俳優の小沢仁志さん、はじめ複数の方の名が書かれてました。

「有名な芸能事務所なんだ」

と思いスマホで検索すると、その事務所のページがあり

俳優さんと、その会長の名が書かれていました。

そしてお話を伺うと

「私は三菱財閥の創業者、岩崎弥太郎の子孫なんです。」

とおっしゃり、岩崎家と三菱グループの要人とのパーティーの写真を見せて頂きました。

「岩崎家は今でも三菱グループに強い影響力を持っており、私は直系ではないが相続の権利を持っているんです。

でも、いろいろ煩わしくて、相続放棄をする予定です。

今は気軽にできる、芸能事務所を経営しています。」

などとおっしゃっておられました。

 

それ以外にも、三菱グループの裏話を聞かせていただき、すごい世界があるものだなと驚きました。

 

「すごい方を紹介して頂いたなあ」と

せっかくのご縁を活かせたらなと思ったものの

この方と直々にビジネスをする商材を自分は持ち合わせていなかったため、

お知り合いの経営者を紹介させていただくことにしました。

 

そして違う日に、その「岩崎」さんと

知り合いの社長をお引き合わせることになり、

「岩崎」さんに

ミナミのバーに招待されました。

ミナミを歩くと、

「あっ、岩崎さん」

と多くの方から声を掛けられており、そこそこ名の売れた方なんだなと感じました。

 

そして、岩崎さんと、紹介した社長がお話しされていたとき

この岩崎さんが

「あんた、明日までに5000万円用意できるか?

尼崎に地上げしている物件があって、儲かる案件やから、あんたにやるわ」

なんておっしゃっておられました。

 

すごい案件だなあ、と横で聞きながら

その日は終わりました。

 

結局、後日、ご紹介した社長から

翌日に5000万円は用意できるけど

調査や契約書などを作成するのに時間が掛かるために

この案件は辞退された、とのことでした。

 

さらに、後日この社長から

「最近、岩崎さんどうしてる?」

と問い合わせがあり

僕もその後お会いしてなかったこともあり、

岩崎さんに連絡してみました。

 

すると、なかなか岩崎さんと連絡がつかないのです。

何か嫌な予感がよぎり、

ネットで、この芸能事務所を検索しました。

しかし、そのページが出てこないのです。

 

そこで、俳優の小沢仁志さんを調べることにしました。

すると、小沢仁志さんは、事務所を移籍しておられました。

しかも、所属事務所の遍歴をかかれていたのにもかかわらず、

当の岩崎さんの事務所のことは無かったことになっていました。

 

さすがに嫌な感じがして、この岩崎さんのことをネットで検索していくと

とある、詐欺師情報サイトにヒットしました。

 

そこに、この岩崎さんのことが書いてあり、

 

「三菱グループの御曹司を語る詐欺師」

とあり、不動産会社と結託し、

お金のある人に不動産投資を持ちかけ

銀行をだまし、オーバーローンを組んで

お金を搾取する。

 

なんて手口が紹介されていました。

 

どうやら、岩崎と言う名も偽名の本物の詐欺師だったみたいです。

全国の被害にあった方の情報が様々に記載されていました。

その後、周りの方数人が、数千万円単位でだまされていたといく情報を聞き、

ゾッとしました。

 

下手すると、ご紹介した社長にまで被害があったかもしれないと思うと

背筋が凍りつきました。

 

その後、その社長は笑いながら

「おもろい話やなあ」

と許してもらいましたが、

なんとも頭の上がらない結末になってしまいました。

 

人を紹介するときは、きちんとした情報を把握して

紹介しなければ、トンでもない被害が起こってしまうかもしれません。

 

とても貴重な体験でした。

 

 

 

 

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