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【講座】整理整頓したら怒られた(泣)
2019.7.13

要らないものを

『整理する』

『断舎利する』

これらの行いは、とても大切なことです。

不要なものを抱えておくことは、仕事も人間関係においてもデメリットが大きいものです。

 

製造業でも多くの会社が

『5S』

(整理、整頓、清潔、清掃、しつけ)

を推奨しています。

 

しかし、そんな整理整頓が、ときには悲劇を生み出します。

 

私は元々、社員10名ほどの鉄工所を父と共に経営していました。

 

その後、その会社は廃業し、サラリーマンとなるのですが

昔から私は、『整理整頓』をしないと気がすまない性格でした。

 

仕事でも、要らないものはすぐに捨て、片付けるようにしていました。

若い頃、工事現場のような場所でも、職人さんから

「ボーっとするぐらいやったら、掃除でもしとけ!」

と言って、よく怒鳴られていた名残かもしれません。

 

そんな仕事をしていた30歳になったある時期、

転職し、大手一部上場企業のメーカーに入社することになりました。

 

その会社に入り数年経ち、色々仕事を任されるようになった頃のお話です。

 

商品開発の部署であった当時、多くの失敗作や駄作達の遺品の山が

足の踏み場もないくらいに、作業場に散乱していました。

 

整理整頓をしないと気がすまない私は、ある日、意を決して

その作業場の整理整頓に挑みました。

 

壊れた部品や、スクラップ、くしゃくしゃになったゴミ達、

あきらかに何年も放置されていたゴミを次から次と整理整頓し

作業場は見違えるほど美しく変わりました。

 

当時の同僚たちは目を丸くして驚いていました。

 

しかし、ある日惨劇は起こります。

期末決算前の

「棚卸し」

作業です。

 

会社にある資産や在庫をチェックし、資産に計上する大切な作業です。

その「棚卸し」作業のあった日、

社内が大騒ぎになりました。

 

「会社の資産が消えた!?」事件です。

会社の総務部から血相を変えて調査の指示がありました。

 

過去をさかのぼり、調査をした結果、

どうやら私が捨てたゴミ、

その正体は

「会社の資産」

だったのです。

 

私が捨てたゴミ達、

・過去にまったく売れなかった商品の壊れた部品(⇒在庫)

・過去の開発段階で失敗した使用されなかった部品(⇒試作品)

 

決算帳簿上、

「在庫」

「試作品」

と呼ばれるこれらのものは、重要な会社の

「資産」

だったのです。

 

特に、上場企業の場合は決算毎に

極力

「利益」

を最大化することが求められます。

 

すなわち大手企業では、「棚卸し」の際には

「在庫」が多い方が望まれる傾向があります。

 

この「在庫」が多いと、

結果的に決算書の「利益」が増えるのです。

 

大手企業においては、「利益の最大化」を求められます。

株価に影響を及ぼすからです。

 

ですので、「デッドストック」と呼ばれる「不良在庫」や、売れ残り品は

決算時には「利益」として計上されていくのです。

 

「粉飾決算」をする際、売上は水増ししづらいので

よく、「在庫」の水増しが

行なわれているようですね。

 

それに対して、中小零細企業は、

必ずしも決算帳簿上の

「利益の最大化」

は望まれない傾向があります。

 

当然のことながら、「利益」には、税金が掛かります。

中小零細企業では、納税額を極力抑えたいので

決算書上の「利益」は少なくしたいことが多いのです。

 

在庫の観点から見ると、中小企業の決算時は

「在庫」

を極力少なくしたいものなのです。

 

「所得隠し」

では、よくこの手法が用いられたりしているようです。

 

なにやら、税務処理ような記事になりましたが

「整理整頓」

の価値も会社によって異なるのですね。

 

 

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