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【講座】伝統とイノベーション
2019.8.1

以前、お話を伺ったことのある京都の着物屋さんのお話です。

着物の世界、というと比較的伝統が重んじられる業界でもあります。

しかし、市場としては決して明るいものではなく、衰退しつつある産業の一つとも言えるでしょう。

これは、その業界の方々が強く危機感を持たれている問題です。

 

恐らく、多くの人が

「着物が嫌い」

「着物は悪いもの」

なんて思わなかったりするでしょう。

むしろ

「日本の古き良き文化」

として好意的に捕らえている人の方が多いのではないでしょうか?

 

しかし、その着物を普段から着用している人がどれくらいいるでしょうか?

そう考えると圧倒的な少数派になるでしょう。

 

「良いもの」だから売れる

訳ではない、典型的なタイプでしょう。

 

そんな中で、着物業界の中でも、大きく2つの勢力に分かれているようです。

 

一つは、新しい商品作りや、画期的なアイデアで着物をもっと普及して世界に拡げよう、

というような、改革派の方々です。

デニム地の着物や、着物地のズボン、着物風の洋服など様々な工夫を凝らした商品を

日夜研究され世に送り出している方々です。

 

そして一方、それに反対する方々も多いのです。

伝統と格式を重んじる方々です。

古き良き伝統と歴史があるからこそ、魅力があり

多くの人を魅了するのだ、という意見です。

 

この双方のグループは、お互い相容れない関係のようです。

この問題は様々な伝統工芸にも当てはまる問題です。

 

どちらが正解というような単純な話ではないでしょう。

解決とはならないかもしれないですが、

結局のところ、信念を持って活動されていること自体、

双方素晴らしいと思うのです。

 

歴史の中でも、キリスト教や仏教のように

歴史を重んじる派閥

時代に合わせる派閥

大きく分かれることは多いものです。

 

ここで大切なのは

いくら伝統を守っても、世の中に必要とされなくなってしまうと廃れていくでしょうし、

時代に合わせた為に、ブームが終わると共に消えていくものも存在します。

 

最後は、どちらの考えが正しいという訳ではなく、

大衆に支持されたものが世の中に残るのでしょう。

 

事業において、これらの決断を下すためには

ときに理論ではなく、感性と信念が必要であったりするものです。

 

 

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