「言ったじゃない！」

「言ってない！」

「そんなつもりじゃない！」

このような「言った」、「言わない」の議論は私たちに度々起こり、悩ませるものです。

 

コミュニケーションの問題は、組織だけのものではなく、家族間や友人の中にも存在するものです。

なぜ伝わらないのでしょう？

 

伝わらない理由は様々あるのですが、

まずは、言語という言葉の性質によるものがあります。

 

言語では、正しい情報は伝わるようで意外と伝わらないものなのです。

言語で伝えることができる情報は、伝えたい情報の５％程度でしかありません。

 

残りの９５％は、言語ではないもので伝わっているのです。

言語でないものとは、表情、仕草、雰囲気、イメージ、思い込み、先入観などが挙げられます。

 

さらに、人は言語で情報を伝えようとするときに、全ての情報を伝えようとはしません。

発する情報の至る所に省略が行われています。

 

例えば、

「コピーしておいて」

という依頼も、

カラーなのかモノクロなのか、

何部コピーするのか、

コピーしたらどこに置いておくのか、

コピーしたらホッチキスでとめるのか、

原本は廃棄するのか、保存するのか、

挙げだすとキリがありませんが、かなりの情報が省略されているものなのです。

 

なので、このような作業の後で

「普通コピーって言ったらカラーだろ！」とか

「普通コピーしたらホッチキスで止めるだろ！」

みたいな不毛なコミュニケーションが発生してしまします。

 

そうすると、そもそもコミュニケーションはエラーが起こっても当然のことなのです。

エラーが起こるたびに、あらためて情報を共有しながら、双方の「普通」というルールを作り上げていく

ことが大切です。

 

立場も価値観も、持っている情報も違う、上司と部下の関係性の中では、

言語のやり取りで正しい情報共有を求めるのは難しいのです。

そもそも、親からすると子供の気持ちは分からなかったりしますよね。

 

だからこそ、正しい指示で正しく動く関係性より、目的意識の共有が大切なのです。

同じ目的を持てば手段や手法が異なっても同じ到着地点に辿り着けるものです。

 

 

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