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【講座】ノウハウ
2019.7.10

世の中には機械を作る様々なメーカーがあります。

そのメーカーそれぞれに、様々なノウハウがあるでしょう。

 

そして、機械メーカーだけでなく、多くの事業者にはノウハウがあるでしょう。

でも、ノウハウってどうやったらできるのでしょう。

 

基本的にノウハウって、失敗やトラブルの解決の上に出来上がるものでしょう。

間違っても、理由の分からないまま成功する

「ビギナーズラック」

の上には、ノウハウはできないでしょう。

 

以前勤めていたある老舗メーカーでの出来事ですが、

そのメーカーは、まず、とあるニッチ市場で多くのシェアを占める創業100年近いトップメーカーでした。

そのメーカーは創業時に海外で売られていた機械を

「日本で作って売れば需要があるのではないか」

と考え、日本でその機械を完全に模倣した機械を製造し販売しました。

これが見事に当たり大ヒットし、たちまち市場を独占することに成功したメーカーです。

 

私が中途採用で入社したこの会社では、ある問題が起こっていました。

今まで作ってきたその機械が、次から次へと故障のトラブルが起こったのです。

当然このメーカーは改善に乗り出すのですが、解決できずにいました。

 

この会社の技術者のみんなが口を揃えて言っていた事が

「昔からこのやり方で教わったので、何が悪いか分からない」

と言うのです。

 

実は、これまで

「根拠のない成功」

の体験を重ねてきたのです。

 

なので、いざ問題が起こったとき、それを解決する術を持ち合わせていなかったのです。

何せ、創業100年近い会社です。

創業時から代々言い伝えられたことを続けてきたので、その当時いたメンバーは

さも「自分は悪くない」という態度でした。

 

それも無理もないところです。

これまで問題がなく実績のあったものが、自分は何もしていないのに、ある日を境に不良品と呼ばれるのです。

さぞ、責任を回避したかったことでしょう。

 

しかし、現場の責任者だった私は、全ての設計をあらためてチェックしました。

その結果、とある部品において明らかな強度不足による破損が起こっていたのです。

 

どうやら、時代と共に、お客様の使用方法が少しづつ変化し、

またメーカーの方も、少しづつコストダウンの名の下に、安い材料を使っていたようでした。

 

結局当時の責任者だった私は、

「これを改善した新しい部品と交換しないといけない」

という結論を提案したのですが

「お金が掛かるからダメだ!」

と、この提案は会社から却下されました。

 

しかし当然のことながら、当の問題は解決されることなく

その責任を取る形で退職することになりました。

 

当時は、なんとも不甲斐ない結果になってしまったのですが、この体験談からも分かるように

ノウハウは、失敗やトラブルを乗り越えるからこそ蓄積されていくものであり

決して

「根拠のない成功」

を重ねて得られるものではないのです。

 

医学の世界などは、まさに「ノウハウ」の世界でしょう。

数多くの失敗とトラブルがあったからこそ、それをノウハウにし

現代の医学があるのでしょう。

 

今も事業を進めていく中で、様々なトラブルや問題にぶつかります。

ですが、それを解決したときに

「またノウハウができたー」

という実感が涌いてきます。

 

世の中には、様々な失敗を乗り越えて、事業をされてる方々がいらっしゃるわけです。

 

事業を立ち上げる際や、新商品を開発する際、

失敗やトラブルこそ

「ノウハウ」の種

と思って乗り越えれば、

気付いたときには、

他社には真似しがたい「ノウハウ」を持った企業となるでしょう。

 

【産業機械・生産設備・省力機械・搬送装置・ロボット】

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